6月中旬、グーグルクラウドの展示会で、ダイアン・グリーン氏はその優位性を強調した(撮影:風間仁一郎)

「5年以内にクラウド市場を制する」。米グーグルのクラウド部門を率いるダイアン・グリーン上級副社長はそう断言する。

検索事業で世界を制し、ネット広告で稼いできたグーグルが今、全社を挙げて取り組むのが法人向けクラウドビジネスだ。今年1〜3月のクラウド売上高は前年同期比で倍増(米調査会社シナジー・リサーチ調べ)。IT大手の中でもその成長率は群を抜く。

同社が展開する「グーグル クラウド プラットフォーム」は、アプリ開発・運営のサーバー環境やストレージ(記憶装置)、データ分析、AI(人工知能)を使った高度な処理などのサービスを提供する。利用時間やデータ量に応じて顧客に課金する仕組みだ。

検索やマップ、ユーチューブなど、自社サービスで10億人規模のユーザーを抱えるグーグルは、情報処理のインフラを自前で整備してきた。世界に15の大型データセンターを持ち、それぞれ数百億円を投資。中小規模のセンターも各地域に置き、昨秋には東京にも開設した。これらを海底ケーブルでつなぎ、世界中どこでも変わらぬ速度で接続できるように努めている。

グーグルがその処理能力を見せつけたのは、昨年に大ブームを巻き起こしたゲームアプリ『ポケモンGO』だ。当初の需要予測最大値の50倍ものアクセスが集中したが、サーバーがダウンすることはなかった。

ただ、これだけのインフラを持ちながら、グーグルはクラウド業界では後発だ。グリーン氏は「以前は法人向けビジネスに興味がなかった」と明かす。