丸の内エリアを中心に多数のビルを保有する、総合不動産の三菱地所。東京駅前の常盤橋では、2027年度に日本一高いオフィスビルを建てる計画だ。

ただし、再開発が相次ぐ都心については、オフィスの過剰供給を懸念する声も上がっている。4月に就任した吉田淳一社長に、オフィス市況の見通しや、今後のビル開発の方針を聞いた。

よしだ・じゅんいち●1982年東京大学法学部卒、三菱地所入社。2007年人事企画部長、11年ビルアセット業務部長、14年常務執行役員などを経て17年4月から現職。(撮影:今井康一)

──東京五輪を追い風に都内各地で再開発ラッシュが続く。

東京五輪は一つの契機ではあるが、デベロッパーは今後必ずしもバラ色の事業環境というわけではない。五輪以降、東京や日本の魅力をどのように高めて、海外から観光客や外資系企業に来てもらえるようにするかがカギとなる。

現在、オフィスは空室が非常に少ないが、新しいビルができると古いビルからの移転がどんどん進む。空室が埋まらないエリアの市況は厳しくなるだろう。

──保有するビルの収益が減る懸念はないか?

オフィス全体の需要が下がっても、丸の内の需要は大きく減らないだろう。オフィスは人と人の接する機会が重要だ。

丸の内周辺にはすべてのメガバンクが本社を置き、総合商社も集まっている。主要な会計事務所や監査法人、法律事務所も近く、企業のトップマターに必要な機能はほぼそろっている。集まる人のレベルが格段に高く、ほかのエリアでは得られない価値がある。