滴滴出行のアプリを使って客を探すタクシーの運転手。一般ドライバーによる配車も認められている(EPA=時事)

5月20~21日に、明治大学で「第三回 日中雇用・労使関係シンポジウム──非正規時代の労働問題」が開催され、筆者もパネリストとして参加してきた。

二日間の会議には、首都経済貿易大学の常凱教授ら中国からも多くの専門家が参加し、日中両国の非正規労働問題について議論を深めた。その中で、非常に印象深いことが一つあった。日本側の参加者が経済のグローバル化に伴う雇用の不安定化や、労働運動の直面する困難性といった従来型の労働問題を取り上げたのに対し、中国側の参加者はシェアリングエコノミーの急速な普及によって生じた新しいタイプの非正規労働問題を指摘した。両者の間に大きな問題意識のズレが見られたのだ。 

昨年以降、滴滴出行(ディディチューシン)などの大手配車サービスに一般ドライバーの参入が認められたり、自転車のシェアライドが普及したりするなど、中国のシェアリングエコノミーの拡大は昨今目覚ましい。国家情報センターが今年2月に発表した「中国シェアリング経済発展報告2017」によれば、2016年のシェアリングエコノミーの市場規模は3兆4520億元と前年より103%増加、また就業者数は前年より約1000万人増加し6000万人を超えたとされる。今年3月の全国人民代表大会の「政府活動報告」にもシェアリングエコノミーの発展を支援することが明記された。

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