米国政治に詳しい久保文明・東京大学教授に、トランプ米政権に対する評価と今後の展望を聞いた。

くぼ・ふみあき●1956年生まれ。79年東京大学法学部卒業。筑波大学助教授、慶応義塾大学教授などを経て2003年から現職。専門は米国政治。著書に『現代アメリカ政治と公共利益』『アジア回帰するアメリカ』(編著)など。(撮影:今井康一)

──ロシア疑惑などでトランプ政権に対する批判が高まっています。トランプ大統領の問題点は?

トランプ氏は三つの「I」に基づいて政策を決める傾向がある。intuition(直観)、impulse(衝動)、ignorance(無知)の三つだ。ヤマ勘とその時々の気分で、影響を十分に考えず何も知らないまま政策を決定しているおそれがある。トランプ氏には、大統領としての資質の部分で危うさを感じる。

──トランプ氏は大統領就任から4カ月経ちました。その評価は?

大統領に就任してしばらく経てば勉強して変わってくれるだろうという願望が共和党にはあったが、見事に外れた。政策のディテールについて勉強する意欲は欠如したままだし、言わなくていいことまで言わないと気が済まない性格は変わっていない。今後もおそらく変わらないだろう。

──ロシア疑惑はどこまで深まるのでしょうか。

大統領選挙期間中の疑惑を証明することは難しい。ロシアによるハッキングをトランプ氏が側近らに指示し、選挙を攪乱させた、ということの証拠はなかなか出てこないだろう。

しかし、コミー前FBI(米国連邦捜査局)長官を解任した問題は深刻だ。(本インタビュー後の)6月8日に議会で証言するが、トランプ氏がコミー氏に、ロシア関係の捜査をやめるよう迫ったことが明らかになれば、弾劾の声が強まるだろう。

──弾劾はどのように進みますか。