仕事場の移転作業がまだモタついている。移動する物の処理について、私の基本方針がグラつきどおしだからだ。私は考えた。こんなことでは約束した日に、不動産業者に部屋を引き渡せなくなる。今の乱麻状況を一刀のもとに断つ快刀が必要だと。

それには処分方針を単純化すること。つまりオール・オア・ナッシング。全部残すか、捨てるか。それを本とビデオテープ類のどちらに適用するか。結局は本を残すことにした。いきおい、数百本に上るビデオは全部処分することにした。新しい仕事場に収納の余地がないからだ。

「高く売れるものもあるらしいよ」。知人がそんなことを言う。十把一からげでなく一本一本吟味して、相応の値段で買ってくれるのだそうだ。その話に乗った。まもなく驚きの結果がもたらされた。予想もしなかった額が示されたからだ。数晩の飲み代が得られる。