2012年、人工知能(AI)の画像認識精度を競う国際的コンペティションで、初参加のカナダ・トロント大学のチームが驚異的な成績で優勝したことは、大学の基礎研究から生まれる革新的技術の切れ味のよさについて世に再認識させた。かたやIT産業の巨人である米国グーグルが、1000万枚分ものネット上の画像データを大規模なコンピュータシステムへ取り込み「猫の顔」概念の獲得に成功したことは、企業が扱う膨大なデータと巨額資金による技術開発力の強さを大学の研究者に痛感させた。

いずれの成功事例も深層学習(ディープラーニング)技術を採用していたため、深層学習を起爆剤に約20年ぶり、黎明の1956年から数えて第3次となる「人工知能ブーム」となった。

その深層学習では「人工知能システムがエンジン、データがその燃料」と例えられ、性能向上には計算性能の高いシステムと豊富で良質なデータの両方が必要。だから深層学習では、「大学における研究開発力と、産業界における保有データおよびデータ活用ニーズとが相互に補完的となり、世界中で産学連携が活発化した」──人工知能の技術と経営の両面に詳しいNTTデータ経営研究所は解説する。

日本では産学官連携で急速に「種まき」が進む