青天の霹靂(へきれき)だった。東入來信博(ひがしいりきのぶひろ)氏がジャパンディスプレイ(以下、JDI)の社長就任を打診されたのは2017年1月のこと。東入來氏は有機ELパネルの開発会社・JOLED(ジェイオーレッド)の社長で、その前はイスラエル系液晶検査装置メーカーで社長と会長を15年務めていた人物だ。JOLEDはJDIから15%の出資を受けており、昨年末にJDIの子会社となることが発表されていた。

そのタイミングでの異例の提案に東入來氏は驚き、結論を出すまで1カ月を要した。ただ、悩んだ末に「JOLEDについていろいろ考えた結果、最終的に引き受けなくてはいけないと思った」とJDIの社長就任を決めた。東入來氏は当面、JOLEDの社長も兼務する。

この人事を演出したのは、JDIとJOLEDの両社に出資する政府系ファンド・産業革新機構(以下、革新機構)だ(図表1)。JDIは革新機構が主導し、苦境に陥ったソニー、東芝、日立製作所の中小型液晶事業を統合する形で11年に発足した会社。JOLEDも革新機構が主導し、ソニーとパナソニックの有機ELディスプレー事業を統合して15年に発足した会社だ。

[図表1]
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