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中国も室内全面禁煙 「先進国並み」に本腰

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政府主導で室内喫煙の取り締まりが厳格化している。上海では今年3月から全面禁煙を施行し罰則規定を強化。医療費抑制やマナー向上を急ぐ。

上海市では万博が開かれた2010年に公共施設での禁煙条例が設けられた。写真は当時の様子(Imaginechina/アフロ)

「愛煙家の天国」と見られてきた中国で、政府主導での禁煙の動きが急速に進んでいる。今年3月、上海市は全国に先駆けてすべての飲食店、店舗などを対象に室内での全面禁煙を実施、取り締まりを行った。

中国は世界最大のたばこ生産・消費国。たばこ業界の年間利益は1兆1000億元(1元=約16円)。に達する。喫煙者数は3億人で、喫煙率は男性52.9%、女性6.9%(中国控煙協会、2016年)。近年低下傾向にあるものの、先進諸国と比べればかなり高い水準だ。ちなみに日本は男性29.7%、女性9.7%(JT、16年)である。

喫煙によって中国では今世紀中に2億人が死亡し、数千万人の貧困者が生まれるとWHO(世界保健機関)は警告しており、中国政府は国民の健康増進や医療費抑制、都市の美観やマナー向上の観点から、この数年、喫煙率の抑制に力を入れている。

最も厳格なのは上海市だ。3月に施行された「上海市公共場所抑制吸煙条例」により、店舗やレストラン、バーなども含む室内公共空間は全面的に禁煙になった。業種や規模、営業形態などの例外はいっさい認めず、移行措置もなしという厳しいものだ。空港や駅、ショッピングモールなどの公共施設に喫煙ルームを設けることも禁止されている。

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