【今週の眼】佐藤主光 一橋大学教授
さとう・もとひろ●1992年一 橋大学経済学部卒業、98年加ク ィーンズ大学博士号(経済学)取 得。2009年から現職。専門は財 政学。政府税制調査会委員など も務める。著書に『地方税改革の 経済学』『地方財政論入門』、共著 に『震災復興 地震災害に強い社 会・経済の構築』など。(撮影:梅谷秀司)

教育無償化のための財源問題が注目を集めている。自民党の文教族の一部は教育目的の国債(教育国債)の発行を主張する一方、同じ自民党の「財政再建に関する特命委員会」は、教育国債は子どもの世代に負担のツケを回すものであり不適当とする。

教育は未来への投資だから公共投資と同じように国債で確保すればよいという主張にはそもそも無理がある。公共投資は道路などインフラを整備するときの一過性の支出であり、建設国債はその負担を平準化するものだ。

これに対し、教育は毎年かかる経常的かつ義務的な支出であり、これを国債で賄えば財政赤字が恒常化することになろう。残高1000兆円に上る国債をこれ以上増発すると財政の持続可能性が危うくなりかねない。財政が行き詰まれば教育財源の安定的な確保もできなくなる。