2050年に企業活動全体にかかわる温室効果ガスの排出ゼロを目指す──。

事務機器大手のリコーは4月21日、世界に向けて宣言した。

ビジネスで使う電力の100%を、太陽光や風力など再生可能エネルギーで賄うことを目指す「RE100」。米アップルや英蘭ユニリーバなど世界の“環境先進企業”の多くが参加する国際的な取り組みにも、日本企業で初めて名を連ねた。

リコーは環境対策に熱心な企業として知られている。1990年代以来、取引先と連携して廃棄物など環境負荷を減らす取り組みを推進。脱炭素社会実現を目指す「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」(Japan-CLP)の中心メンバーとしても積極的に活動してきた。

だが、今回の目標は、その先を目指す。あえて、とてつもなく高いハードルを設定した経緯について、同社で地球温暖化対策の旗振り役を務める加藤茂夫執行役員は、「今回の目標設定は15年12月のパリ協定採択がきっかけとなった」と説明する。

「温暖化対策で大きく前進!」。パリ協定の合意を壇上で喜ぶ世界の首脳(State Department via Best Image/アフロ)

15年にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)。そこで地球温暖化対策の国際的な枠組みとしてパリ協定が採択された。リコーはCOP21の事務機器分野のオフィシャルサプライヤーだった。加藤氏はパリに出向き、世界の変化を目にした。

「日本では地球温暖化対策は経済成長を阻む、よけいなコストだと見られがちだが、世界のトップ企業はビジネスチャンスととらえていた」

パリで世界的企業経営者の熱弁を聞いた加藤氏は、「当社も、もっと踏み出す必要がある」と経営トップに進言。今年4月開始のリコーの新中期経営計画と歩調を合わせて、「温室効果ガス排出ゼロ目標」がスタートした。太陽光発電設備の導入やCO2排出量の少ない電気への契約切り替えなど、取引先とも連携した取り組みを始めようとしている。