昔から“職住一致”でなく“職住隔離”を旨としてきたので、仕事場は別の所に設けている。マンションの1室を借りて渡り歩いてきた。現在の所が15年過ぎ、まもなく契約更新になるので、思い切って新しい所に移ることにした。2カ月ほど余裕があるので、少しずつ身の回りの品の整理を始めた。

大半は本で、こちらのほうは片付けやすい。厄介なのは書類だ。頼まれ事に対し返事をしていないものがかなりある。逆の場合はスタッフが「ナシのツブテ」と表記したファイルに収めているが、さてどうしたものか。かなり年月が経っているものもあるので、思い切って全部破棄することにした。というのは、その内容は今の私には到底実現できない難題が多いからだ。「無言も一つの応答」と、心ならずもへ理屈を立てて、書類一掃を断行することにした。

それでも、返事を怠った書類を1件1件読み直してみると、何とかしたいなという惻隠の情が湧いてくる。じゃあ応じられるのかと自問すれば、とても無理だという自答が返ってくる。そもそも頼み手が頼む相手を間違えているのだ。すぐ断ればいいものを、優柔不断なためにズルズルと滞貨の山に加えてきた。時効のない書類だから宙ぶらりんで、未処理のまま机の脇に積まれている。