買収後、トールの業績は右肩下がり。高値づかみといわれた買収額も手伝い、巨額減損を余儀なくされた(撮影:今井康一)

「準備して待っていたのに、投資家からの問い合わせは1件もなかった。値上げや残業代支払いのニュースが流れるたび、電話が鳴りやまなかったヤマトホールディングスとは対照的だ」

日本郵政が4000億円の巨額減損を行うとの報道が流れた日を、同社担当のあるアナリストは振り返る。

日本郵政の2017年3月期は減損により400億円の最終赤字となる見通しだ。減損の中身は15年5月に傘下の日本郵便を通じて6200億円で買収したオーストラリアの物流会社トール・ホールディングスの、のれん・商標権の全額と一部有形固定資産の一括償却。

トールはオーストラリアの物流大手で、アジアでも事業を展開している。日本郵便は国内の郵便事業に限界があるため海外展開を企図し、15年11月の株式上場へ向け、次代の成長エンジンになるとしてトールを買収。国際物流の拡大を一気に加速させるとブチ上げた。