国内で販売している品目などの米国展開やコスト削減でシナジーを創出する考えを示した(撮影:今井康一)

ジェネリック医薬品(後発薬)大手の米国進出が相次いでいる。

最大手の日医工は昨年、注射剤に強みを持つ米国の同業を約750億円で買収した。米国は医薬品に占める後発薬の割合が数量ベースで約9割という“後発薬の先進国”。その巨大市場に橋頭堡を築いた。大手3強の一角である東和薬品も、米国で子会社設立や拠点作りを検討する。

そして先月、沢井製薬が米国の同業アップシャー・スミス・ラボラトリーズの買収を発表した。澤井光郎社長は「米国市場を第2の柱にする」と力を込める。

アップシャー社は1919年設立で2016年12月期の売上高が4億ドル弱、営業利益が1.5億ドルと高い収益性を誇る。今回、目を引くのは10.5億ドル(約1155億円)という買収額。アナリストや同業他社からは「あの慎重な沢井が、思い切った買い物をした」との声も上がる。

高収益とはいえ、オーナー企業であるアップシャー社は利益の多くを配当に回しており、純資産はごくわずか。買収額と純資産との差はのれんや無形資産として計上されるが、今回の買収に伴う計上額は約1000億円に達する。

今後アップシャー社の業績が想定どおりに伸びなければ、沢井製薬はのれんを減損処理する必要が出てくる(17年度から、毎年減損テストが必要なIFRS〈国際財務報告基準〉へ移行)。同社はそれだけリスクを負ったことになる。

[図表1]
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