【今週の眼】三品和広 神戸大学大学院教授
みしな・かずひろ●1959年生まれ、愛知県出身。一橋大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学文理大学院博士課程修了。同大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。著書は『戦略不全の論理』など多数。(撮影:梅谷秀司)

来る6月の株主総会では役員報酬改定案が目白押しとなりそうである。そこでは、2015年6月に施行されたコーポレートガバナンス・コード(以下、CGC)が役員報酬を一部自社株で支給する米国方式を暗に推奨しており、企業側の対応が見どころとなっている。以下では争点を二つ挙げておきたい。

第1の争点は、純利益に責任を負う経営陣が、その先の株価形成にまで責任を負うべきか否かである。株価はマクロ経済指標に左右されるのが常で、だからこそ企業がプレスリリースを出さない日にも上下する。その変動分をリスクとして負うべきは株主、という見方も十分に成立する。

この点については日米間の相違が目立つ。日本では株式の多くが塩漬けとなっており、外国人投資家が株価形成を主導することから、為替レートの変動に株価が敏感に反応する。株価指数の年次騰落率を年初始値ベースで計算してみると、ダウ平均株価は1986年以降プラスマイナス33%の範囲に収まるが、日経平均株価は上限がプラス50%、下限はマイナス40%を超えている。リーマンショックと重なる08年を除外すると、米国の下落率は17%までに収まるが、その水準を超えて下落した年が日本では7年もある。