ザハ・ハディドが手掛けた香港理工大学のジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー

機体を急旋回させ、ビル群すれすれの高さを飛行して着陸する「香港カーブ」。この言葉に聞き覚えがあれば、もう人生の酸いも甘いもかみ分けた大人だろう。

1998年、現在のランタオ島に空港が移転するまで、香港の啓徳国際空港は「世界一着陸が難しい空港」と称された。筆者も着陸のたびに胸騒ぎを覚えたが、今それを語ってもオヤジの昔話となるのがつらい。

啓徳国際空港近くにあったのがスラム街の九龍城。売春・賭博・薬物が扱われる無法地帯とされ、畳1枚分の面積に対する人口は約3人と、世界最高の人口密度だった。しかし「東洋の魔窟」と呼ばれた九龍城も94年に再開発で取り壊され、かつての面影はない。