ミャンマーのラカイン州で起きたイスラム系少数民族ロヒンギャへの弾圧は国際的な非難を呼び、国連調査を求める声が高まっている。これを受け、事実上の政府トップ、アウン・サン・スー・チー国家顧問への批判が強まっているが、軍部の責任が覆い隠されかねない。

ミャンマー政治は不安定な移行期にあり、軍部が国政を握っている。スー・チー氏は手足を縛られているも同然だ。同氏が矢面に立たされている間、軍部は傍観を決め込み、事態の悪化を招いてきた。

スー・チー氏を批判する者は、同氏の政治的ダメージが大きくなりすぎれば、軍部が勢いを取り戻す可能性があることを認識すべきだ。2008年の新憲法は軍部主導で作られたもので、治安維持に必要と見なせば、軍部はいつでもクーデターを仕掛けることができる。国際社会はクーデターを人質に取られるべきではないが、そうした可能性があることは頭に入れる必要がある。