朝鮮半島が一触即発の事態だからこそ、あえて取り上げたい。今上天皇の「お気持ち」表明から始まった法制論議のことである。

与野党は、特例法による退位実現で一致したが、退位そのもの以前に、より切実な問題がある。今上天皇が「旅」と表現された行為を、憲法上どう位置づけるか、だ。

今上は「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も」「天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて」こられた。被災者に寄り添い、戦争の犠牲者を悼む「旅」とは、平和憲法の象徴的行為そのものであり、高齢ゆえに「旅」を「縮小していくこと」は「天皇の望ましい在り方」ではない、と考えられた。