[記事のポイント]

(1) HV「4代目プリウス」:金看板プリウスが持つ底力に期待(渡辺敏史)

(2) コンパクトSUV「C-HR」:万人受けをやめたことは評価したい(石井昌道)

(3) 5代目新型レクサス「LS」:存在価値問われるレクサスブランド(清水和夫)

 

豊田章男社長体制の下、「もっといいクルマづくり」を推進するトヨタ自動車。独自の規格「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を導入するなど、新しい取り組みに挑戦している。トヨタの車は「いいクルマ」になったのか。3名のモータージャーナリストに解説してもらった。

渡辺敏史──金看板プリウスが持つ底力に期待

過去3代を経てトヨタの中核的な車種になったハイブリッド車(HV)「プリウス」が、息を吹き返している。2015年12月に発売された4代目は販売面でやや苦戦を強いられているが、17年2月に発売された新型「プリウスPHV」の出足が好調だ。

PHVとはプラグインハイブリッド車のこと。充電したモーターだけで走る電気自動車(EV)としても、エンジンとモーターを併用するHVとしても使うことができる。新型プリウスPHVは現行の4代目プリウスがベースとなっている。

新型のプリウスPHVがヒットした理由は、商品力の大幅な向上だ。プリウスは3代目でもPHVを取りそろえていたが、EV走行時における航続距離の短さに加え、デザインや「動的質感」などでもベースモデルとの差別化を軽んじていた。そのため、販売面では振るわなかった。この反省を踏まえつつ、新型のプリウスPHVではデザインとEV性能の徹底的な差別化が意識された。

具体的には、満充電からカタログ値で68.2km、実用でも50km前後のEV走行が可能となったことが大きい。これだけの航続距離が確保できれば、日常的な用途の大半において内燃機関を稼働させることはないだろう。