欧州連合(EU)からの離脱交渉を正式に始めるにあたって、テリーザ・メイ英首相は「離婚」という言葉を使おうとしなかった。確かに、われわれが出ていこうとしている家は、家族の歴史や思い出が詰まっていて、今後の経済的な利害ともかかわっている。その意味で、完全な別れなど現実にはありえない。

英国は一部で考えるほど孤立した島国ではない。今の王室はドイツ系だし、輸出は圧倒的にEU向けだ。英国は西欧の発展とともに形作られてきた。われわれを隔てるドーバー海峡はわずか33キロメートルしかない。

では、なぜ離脱なのか。経済から移民問題に至るまで、主要課題にまるで解決策を見いだせないEUにわれわれはうんざりしていたのだ。