去る3月11日の朝日新聞に、学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバーに対する取材記事が載っていた。この団体は2015年、安全保障関連法に対する抗議活動を行っていたもので、現在は存在しない。掲載日は韓国の憲法裁判所が朴槿恵(パククネ)大統領の罷免を宣告した翌日である。その元メンバーは昨年11月、大統領辞任を求めるソウルの抗議集会に参加、集まった人の多さ、「世論の盛り上がり」に驚いた経験を持ち、先の罷免決定にも「国民が政治を動かした」と感動した。

記事は「隣の国なのに、なんでこんなに差があるんだろう」というその発言を引き、心情を「憧れと悔しさ」と代弁している。いうまでもなく、政治から「世論」「国民」が隔たった日本の現状批判である。

思想・信条は自由だから、どんな意見を持ってもよい。表現も自由だから、どんな文章を書いてもよいだろう。ただ公にするなら、人に見られても恥ずかしくない発言・文面にしなくてはなるまい。上の記事は、そうした観点からみて、少なくとも筆者にとって、説得力を有さなかった。