(AP/アフロ)

スイスとの国境に近いオート・サヴォワ県の小さな村に住むオレリー(女性、27)は「投票したい順に挙げるなら、まずマリーヌ・ルペン」と断言する。

オレリーは漫画家志望のフリーター。絵画教室の講師などアルバイトを掛け持ちして生計を立てている。住んでいるのは25平方メートルのアパート。最寄りのバス停まで徒歩20分、近所には薬局が1軒あるだけだが家賃は高く、生活は苦しい。

ずいぶん前から、近隣の町に出ると中東系移民の姿を目にする。「彼らはずっとここに住んでいるのに、いまだにフランス語が話せない。給付金をもらいに来ているだけ。この国が好きなわけではない」。オレリーは憤る。「フランス人への手当を増やすのが先だと思う」。

シャルリー・エブド紙襲撃事件直後の2015年2月、近所で国民戦線の集会が開かれ、オレリーは好奇心から足を運んだ。村の小さなホールは人であふれていた。7割は白人だったが、アジア系や中東系の人の姿もあった。参加者は「礼儀正しく小ぎれい。でも“大衆”という雰囲気」。ルペンが「移民よりフランス人への社会保障を手厚く」と訴えると、大喝采が起こった。オレリーは言う。

「マリーヌは強い人。サルコジもオランドもフランスのイメージを悪くしたが、マリーヌなら最後まで信念を貫いてくれるはず。今どき国民戦線を怖いなんて言うのは、マスコミと堕落したエリート、あとは不法移民ぐらい」