中国中車が展示する2階建て高速列車の模型

ドイツ・ベルリンで2年おきに開催される「イノトランス」は世界最大の鉄道見本市だ。鉄道メーカー各社が投入する新型車両の屋外展示に注目が集まるが、鉄道メーカーや鉄道事業者のトップが自社の戦略を語る希有な機会でもある。

2016年9月20~23日に開催されたイノトランスでも、アルストム(フランス)、シーメンス(ドイツ)、ボンバルディア(カナダ、鉄道の本拠はドイツ)という「ビッグスリー」に加え、中国や日本企業のトップが一堂に会した。彼らは何を語ったのか──。

「日本の新幹線と比較して、中国の高速鉄道の強みはどこにあるのか」。9月21日、イノトランス会場で中国鉄路総公司の記者会見が行われた。その後の質疑応答で、こんな質問をぶつけてみた。

中国鉄路は11年に温州市で起きた高速列車の衝突脱線事故を理由に、解体された中国鉄道省を引き継ぐ形で13年に発足した国有鉄道会社。日本の国鉄のようなものだ。そして記者の質問に答えたのは中国鉄路・科学技術管理部のゼネラル・ディレクター、周黎氏。技術部門のトップだ。

中国鉄路の周黎氏

周氏は、記者会見の席上で中国の営業用高速列車が試験運行で世界最高の時速486kmをたたき出したこと、短期間で多くの路線網を築き上げたこと、建設コストが割安であることなどを誇らしげに語っていた。だとしたら質問に対する回答は、新幹線を上回る最高速度か、それとも建設コストの安さかと思ったが、周氏の回答は予想を裏切るものだった。