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1割の人が働く世界、残り9割は国が養う [INTERVIEW]井上智洋・駒沢大学専任講師

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駒沢大学経済学部 専任講師 井上智洋

いのうえ・ともひろ●慶応義塾大学卒業。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2015年から現職。専門はマクロ経済学。(撮影:今井康一)

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1割の人が働く世界、残り9割は国が養う

──AI(人工知能)は社会にどういった影響をもたらすのでしょうか?

特化型AIと汎用型AIに分けることが重要だ。今あるのはすべて特化型で、囲碁のAIなら囲碁だけ、と決められたタスクしかできない。一方人間は、囲碁もチェスもできる汎用的な知性を持っている。

特化型AIの時代では、根こそぎ仕事が奪われることはない。それでも特定の職業はなくなる。「仕事は奪われない」と断言する人もいるが、いかなる技術もこれまで多かれ少なかれ仕事を奪ってきた。

米国では特化型AIによって、法廷で使う書類を作成する弁護士助手の仕事が急速に奪われている。金融や会計など数値情報を操作する仕事も代替されやすい。銀行の融資などに少しずつAIが導入されている。

──汎用型AIは?

汎用型AIは人間と同じくらい、さまざまなことができる。登場すれば本当に世の中がガラッと変わる。研究者は2030年に実現すると予想しており、私もそれを踏襲している。まともに働ける人口が1割程度になる可能性もある。

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