北欧・バルト三国の最北に位置するエストニア。人口わずか131万人。電子投票、納税、会社登記など行政上の手続きの多くをインターネット上で行える。知る人ぞ知るIT先進国だが、2007年、突如大規模なサイバー攻撃に見舞われた。当時、陣頭指揮を執ったトーマス・イルヴェス・元大統領に話を聞いた。

Toomas・Hendrik・Ilves●1953年生まれ。第4代エストニア大統領(2006〜16年)。現在は、世界経済フォーラムブロックチェーン協議会議長など。(撮影:大澤 誠)

エストニアがロシアから攻撃を受けた2007年と今とでは、サイバー攻撃の性質がまったく異なる。

07年は「DDOS攻撃」だった。ウイルスをダウンロードしてしまいボット(操り人形)となったPCがそこら中に仕掛けられ、特定の場所に向けて集中的にアクセスを仕掛ける。それによってサーバーに過剰な負荷がかかり、他の人によるアクセスを遮断してしまう。