次々に新機軸を打ち出す、米国のトランプ大統領。なかでも当選直後、「一つの中国」に疑義を呈したことには驚かされた。その見直しは米国の中国に対する姿勢・政策の大転換を意味する。さすがに物議を醸さずにはおかなかった。

ところが去る2月、大統領は日米首脳会談の合間に、習近平国家主席と電話で会談し、「一つの中国」を尊重すると発言、中国側の「評価」を引き出している。トランプ一流の「ディール」なのか、あるいはまったくの前言撤回なのか。憶測が飛び交った。

その「一つの中国」、かつて小欄で「歴史的所産」と書いたら、台湾の立場をわかっていない、とお叱りを受けた。「一つの中国」に賛同できない立場の存在は、もちろん承知している。大陸の政権には「一つの中国」を譲れない「歴史的」な宿命があるので、こちらも是非賛否はともかく、そこをわきまえなくてはならない。そう書いただけである。