[記事のポイント]

(1) 『君の名は。』などヒット作が多かった16年のアニメ市場は約2兆円。国内邦画興行収入トップ10のうち実に7本がアニメだった

(2) 海外では有料動画配信サービスの競争激化で、差別化のために日本のアニメが注目されており、取引額が総じて高騰している

(3) だが、制作現場に目を向けると光景は一変。活況にもかかわらず制作会社の収益は悪化し、アニメーターの雇用は不安定で賃金も低い

興行収入は国内アニメで史上2位。まだ上映中で、上振れしそうだ。
©2016「君の名は。」製作委員会
クラウドファンディングで作られた単館系作品が、口コミで異例のヒット。
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
アニメは子どもや若い男性の娯楽と思われがちだったが、今は女性を含む幅広い層が楽しむ。
©はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会
1月に米国でスタートしたアニメ専門の配信サービス。日本の作品が人気だ

結局、誰が儲かっているのか?
宴の裏側

「どっちか見た?」昨年以降、職場や家庭でこんな会話をした人も多いはずだ。アニメ映画『君の名は。』(昨年8月公開)と『この世界の片隅に』(同11月公開)は、幅広い世代が映画館に足を運ぶ社会的現象を引き起こした。

前者は国内アニメ映画では宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(2001年公開)に次ぐ興行収入を記録。後者はSNSなどで評価が広まり、単館系作品としては異例の上映館数につながっている。

両作品のヒットは、アニメ市場において氷山の一角にすぎない。昨年の国内邦画興行収入ランキングではトップ10の11本中、実に7本がアニメ(図表1)。テレビでも『おそ松さん』のような成人女性に支持される深夜アニメなど、人気作品が複数生まれている。

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