米国のトランプ大統領には、これまでの政治指導者にはあまり見られなかった特徴がある。政策判断の基になる「事実」を都合のいいように解釈し、自らの政策に利用しようとするのだ。

たとえばイランやシリアなど中東・アフリカ諸国(当初は7カ国、その後6カ国)からの入国について「テロリストを入れないため」として規制する大統領令を出したが、実際にはその国々からの入国者による米国内でのテロ事件は起きていない。

経済面でも、トランプ氏は日本から米国への自動車輸出が米国の雇用を奪っていると批判しているが、これも事実に反する。日本の自動車メーカーは米国工場での生産を増やして雇用創出に貢献している。トランプ流の「独自の事実」は欧州の右派勢力にも通じる手法だ。こうした政治潮流が広がるのを防ぐためにも、政治家の発言をメディアが点検する「ファクトチェック(事実確認)」が重要になっている。