トランプ米大統領の議会演説は、米国内だけでなく世界中に「大統領の変身」を印象づけた。「民主、共和両党員は一緒になり、私たちの国の利益のために一体となるべきだ」と融和を訴えたほか、移民への攻撃やメディア批判も影を潜めたのだ。一方で「私の仕事は世界を代表することではなく、アメリカ合衆国を代表することだ」と、従来どおりの「アメリカ第一主義」を貫く姿勢も示した。大統領の重みを実感し、現実的な政策へ転換を試みているのだろうが、それでもトランプ政治の底流には独善や排外主義が見て取れる。今後、議会との交渉や外交上の摩擦の中でトランプ氏がどんな判断を示すのか。それによって軌道修正は本物かどうかがわかるだろう。

トランプ氏は米国時間2月28日夜の議会演説で「共和党と民主党が協力すれば、何十年も達成できなかったことを成し遂げられる」「つまらない争いをする時代は過去のものとなった」などと強調。連邦議会との融和姿勢をアピールした。

米国の政治制度では、連邦議会が予算案の編成・提出権を持っており、上下両院に強力な権限がある。トランプ氏が移民規制などの大統領令を連発しても、議会が関連法案や予算案を出さなければ政策は実行されない。トランプ氏としては今後の政権運営を考えれば議会の協力が欠かせないとの判断から、協調姿勢を打ち出したのだろう。