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産業革新機構の真実 巨大官民ファンドはどこへ行く

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東芝やシャープなど経営危機に陥った企業が世間を騒がせるたび、救世主として名前の挙がる官民ファンド・産業革新機構。あまり知られていないその実態と真の目的に迫る。

(本誌:田嶌ななみ)
写真:産業革新機構の志賀俊之会長。日産自動車で進めたノンコア事業の切り出しが原体験だ

[記事のポイント]

(1)産業革新機構は国が95%出資する「官民」ファンド。シャープ、東芝と日本メーカーが危機に陥るたびに救世主として名前が挙がる

(2)その存在意義は儲けだけではない。有望でも民間が敬遠するような高リスク案件への投資、ファンドという形態そのものの定着も狙う

(3)もう1つは、国外への技術流出の最後の砦となること。その点、東芝の解体劇の中で、本意ならずも救済に駆り出される可能性は残る

 

「東芝の件は頼まれてもいないし、検討してもいない。これについてはシャープのときと全然違って、ウソをつかない」

産業革新機構(INCJ)の志賀俊之会長は、本誌の取材に対し、そうきっぱりと否定してみせた。特に原発事業に関しては、さらに言葉を強めていった。「少なくとも私が会長をやっているかぎりは、都合のいいお財布にはならない」。

昨年はシャープ、その次は東芝──。日本の名門電機メーカーが存亡の危機に立たされるたびに、救世主として名前が挙がってきた。

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