半導体製造装置業界に追い風が吹いている。韓国サムスン電子をはじめとする顧客の半導体メーカーは、新世代の半導体量産に向け設備投資を積極化し、製造装置各社の2016年度決算は期初予想を大幅に上回る結果となりそうだ。10年ぶりのバブルとも呼ばれるほどの活況を呈しているが、死角はないのか。国内最大手・東京エレクトロンの河合利樹社長に聞いた。

かわい・としき●1963年生まれ。86年東京エレクトロン入社。営業畑出身。2016年1月から現職。(撮影:梅谷秀司)

──業界全体が絶好調だ。市場の見通しは?

来年までは、ある程度ポジティブに見ている。中でも新型メモリの3次元NANDフラッシュは、新しい記憶媒体であるSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)向けに非常に強い需要がある。パソコンの台数は減っているが、SSDの搭載比率はまだ拡大余地がある。むしろ、これからますます加速していく。

──反動減を懸念する声もある。

メモリの投資だけでなく、半導体産業育成に取り組む中国で20年までに計5兆円の投資計画もある。実際、その程度の資金が必要になるだろうという実感もある。この投資は確実に行われていくだろう。 

──商機が訪れている反面、競争も激しい。どう差別化するのか。

当社ほど豊富な製品ラインナップを持つ企業は世界で3社のみ。その総合力を生かす。最先端の技術になるほど、装置単体の性能だけでなく装置同士の調整も重要になる。

そのようなニーズに対応できるよう、装置ごとに分かれていた開発部門を一元化した。求められる技術レベルが高まるほど、当社にとってはチャンスだ。