現行のドル安水準に口を閉ざすベン・バーナンキFRB議長(ロイター/アフロ)

親米国が多い、中東オイルマネーによる「ドル離れ」が静かに進行中だ――。

今年5月、湾岸産油国の中でクウェートが、自国通貨のドルペッグ(連動)をやめ、主要通貨のバスケット連動に切り替えた。また、政府系のSWF(国富ファンド)ともいえるカタール投資庁も、約500億ドルの総資産に占めるドル建て比率を2年前の99%から40%に大幅圧縮。ユーロ建て40%、英国ポンドなどその他通貨建てで20%を組み入れた。

そして今、最大の親米派サウジアラビアの動向が注目される。同国の政府要人は、ドルペッグ変更について「公的な政策はすべて同じ状況にある」と、従来姿勢を崩していない。だが、原油高とともに未曾有のドル安圧力が国内にインフレを加速させ、投機のタネをまき散らす懸念に、眉をひそめている。ドルの減価が湾岸産油諸国と米国との距離を、微妙に変化させているようだ。