上海・深セン市場の株価は企業収益では説明のつかない水準に(ロイター/アフロ)

有力新興国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は、依然、良好に推移している。確かに米国経済減速により対米輸出はスローダウンしているが、新興国の国内消費が高い伸びを続けているためだ。したがって、サブプライム問題に解決の糸口が見えてくれば、高成長を続ける有力新興国に再び世界の投資マネーが流入してこよう。

ただし、株価が急騰していた中国本土とインドの株式市場については、サブプライム問題とは別の“障害”によって調整色を強めている。

2007年7~9月期の実質経済成長率が前年比11.5%増となるなど、景気の過熱が続く中国ではインフレ懸念が強まってきた。これまで中国は高成長が続く中でも物価は比較的安定していたのだが、最近ではこうした成長パターンに変化が見え始めており、07年8月の消費者物価指数は前年比6.5%増と11年ぶりの高い伸びとなった。

続く9、10月も同6.2%増、同6.5%増とインフレ率は高止まっている。物価上昇の主因は、穀物の需給逼迫を背景とした食料品の値上がりだが、今後は原油価格や人件費の高騰などを背景に、食料品以外の物価にも上昇圧力がかかってくるとみられる。中国政府は07年のインフレ率目標を前年比3%増と設定しているが、実際のインフレ率は4%台後半を上回る公算が大きい。