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変わる中国の成功者像、銀行“冬の時代"に 反腐敗で失われる銀行員の「特権」

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中国で安定した、高収入の職業といえば、公務員か銀行員であった。だが、ある銀行員の昨年末のボーナスはわずか6元。長時間労働も常態化している。

中国の大手銀行は金利自由化の波やネット金融に押され経営が悪化。リストラが続いている(ZUMA Press/amanaimages)

子供をどんな仕事に就かせるか──。わが子の未来に安定を望む親ならば、一度は頭を悩ませるテーマである。が、これが案外難しいのは、誰もが痛感することだ。

国が違えど、これは中国にも通じる悩みのようだ。たとえば、「安定した仕事」と聞いて直ちに考えるのは日本人では公務員だろうが、中国人の場合もやはり最初に頭に浮かぶのは公務員で、続くのが国有企業といったところだろう。いずれも高い学歴があってもなかなかくぐることのできない狭き門だが、その中でも特に人気なのが銀行だ。

経済の構造転換を急速に進める中国では、国有企業と一口にいってもその差は顕著である。たとえば衰退が明らかな鉄鋼などの伝統的産業では、その一部が“ゾンビ企業化”し、さまざまな“過剰”の処理に苦しんでいる。現場からよく聞こえてくるのは、大規模リストラの調整をする幹部と労働者の対立、給料の遅配などの厳しい声ばかりだ。

副収入なく週6日勤務 失われる銀行員の特権

こういった事情を考えれば、やはり銀行は安定しているとの判断が親には働くのだろう。だが、銀行の安定したイメージも、もはや通用しない時代が訪れようとしている。

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