[記事のポイント]

(1)消費停滞で苦戦が続くスーパーマーケット業界で、格安を売りにしながら業界平均の約3倍の営業利益率をたたき出し、29期増収を続けるのがオーケーだ

(2)成功のカギは、地域最安値を毎日実現するための仕入れや店作りの工夫だ。また、顧客や納入メーカーとの信頼関係構築も大事にする

(3)新規出店を加速しており、現在96の店舗を21年3月期に170店舗へ拡大する目標を掲げる。関西や米国への進出も視野に入れている

 

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2月末、初めてのプレミアムフライデーから一夜明けた土曜日の夕方。都内のあるスーパーでは多くの買い物客が、棚に並ぶ格安商品に次々と手を伸ばしていた。

そこはイオンでも西友でもない。東京や神奈川を中心に96店を展開する急成長中の格安スーパー、「オーケー」だ。出店競争の激化や長引く消費停滞で多くのスーパーが不採算店の閉鎖を余儀なくされる中、オーケーが1982年以降に開業した店舗を閉鎖したことは一度もない。

[図表1]
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売上高は2016年3月期に29期連続の増収を達成した。これは流通業大手としては家具量販店のニトリホールディングスに並ぶ。さらに営業利益率は4.6%と、スーパー業界の平均(1.6%)の約3倍という抜群の収益力を有する。ある競合スーパーのベテラン社員は、「格安スーパーでうまく儲けているのはオーケーくらいだ」と舌を巻く。

オーケークラブの会員数は400万人以上で、東京、神奈川の約6人に1人が入会している計算になる。支持を集める背景には、独自の工夫がある。代表的なものは、顧客に伝えると不利になる情報をあえて示す「オネスト(正直)カード」だ。「産地の天候不順により、相場が3割高となっております」「出始めのため、甘みが不足しており、若干酸味があります」といった情報で顧客の注意を促し、逆に店舗への信頼獲得を図る(下写真)。

オーケーならではの「オネストカード」。フロリダ産グレープフルーツの値札横には、「出始めのため、甘みが不足しており、若干酸味があります」といった“正直”な説明が並ぶ(撮影:今井康一)

1958年創業のオーケーは、現会長の飯田勧(すすむ)氏が一代で築き上げたオーナー企業だ。同社が業界でもまれな、高収益と高成長の両立に成功してきたカギはどこにあるのか。

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