今やマーケティングは時々刻々と進化している。「差別化が難しい市場で競争に勝つためには、発想力を大胆に更新することが不可欠だ」と力説する。

新しい発想法を学び大いにセンスを磨こう

マーケティングに強くなる (ちくま新書1232)
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──マーケティングの分野でも、日本企業は世界に後れを取っているのですか。

残念ながら間違いない。発想力を武器にすることだ。組織の競争力を引き上げていこうとする意識の共有の下で、新しいマーケティング発想法を学び、大いにセンスを磨くことが大事だ。

──「デザイン」がマーケティングの新しい中核なのですね。

日本企業には、本来のデザインの発想があまりになさすぎる。見掛けの美しさ、審美性だけがデザインではない。最新の研究では、基盤的な要素である安全性や機能性、操作性、さらには社会性、耐久性に加えて、審美性、継続性などの選択的なものもひっくるめてデザインには11の要素があるとみられている。とかくそういう発想がないので、ただ上っ面をきれいにすれば「デザインがよくなったね」などと思ってしまう。だからうまくいかない。

海外の有力企業は米アップル、米グーグル、蘭フィリップスをはじめ最高デザイン責任者(CDO)を置いている。デザインとクリエーティブはほとんど同じ意味で使われ、ほぼ同じ役割で最高クリエーティブ責任者(CCO)を任命しているところもある。日本企業には最高マーケティング責任者(CMO)にしてもほとんどいない。重要性がわかっていない証拠だ。

──マーケティングの進化は止めどがない?

3年ぐらい最先端の研究から外れると、もうほとんど使いものにならなくなるほどだ。

ビジネスとマーケティングは密接だから、マーケティングという視点で世の中を見るとビジネス界がどんなふうに変わってきたか、手に取るようにわかる。この本で、その大きな流れの中で自分たちの立ち位置を重ね合わせながら感じてもらえるといいのだが。