1月末の午後5時、筆者はサンフランシスコ発のヴァージンエアでシアトルに到着した。シアトルは米アマゾンの本拠地だ。暗闇の中、「amazon」の大きなロゴマークが光る物流センターをレンタカーで横切り、本社に近い中心街のホテルにチェックインした。昨年9月、筆者は『アマゾンと物流大戦争』(NHK出版新書)を執筆したが、そのときからさらに違う姿に変化してきており、最新の状況を確かめるために渡米したのだ。

売り上げの拡大が続くアマゾンだが、シアトルでは同社の成長を担う戦略を見ることができる。それが三つの「実店舗」だ。

まずはいちばん見たかった場所を訪れた。一つ目の実店舗である「アマゾングローサリーピックアップ」、いわゆる食料雑貨の受け取り拠点だ。この業態はアマゾンの従業員を含めてほとんどの人が知らないだろう。それもそのはず。まだ開業していないのである。

ここを見たかった理由は一つ。アマゾンにとって、インターネット小売業と実店舗を持つ小売業の壁が完全に消えるマイルストーンになることだ。