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レセプト開示の立役者・勝村久司 医療被害者の立場から医療暗黒大国に風穴

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医療被害者の立場からレセプト(診療明細書)の開示を求めてきた。その闘いは挫折続きだ。だが粘り強い主張が日本の医療を変えてきた。

[ポイント1]
1990年、勝村久司の妻・理栄は薬剤名を告げられないまま陣痛促進剤を投与された後、仮死状態の子を出産。子は9日目に死去した

[ポイント2]
勝村はカルテを入手するがそこに改ざんの疑いを持つ。そこで着目したのが診療報酬明細書(レセプト)だが、開示の壁に阻まれる

[ポイント3]
レセプト開示を求めて活動した藤村に中医協委員として声がかかる。医療提供者側が立ちはだかる中でひたすら訴え続け、レセプト開示義務化を勝ち取った

 

1990年に医療事故で長女を亡くして以来、その死を無駄にしないために闘ってきた。医療の世界は想像以上に固く閉ざされていた。風穴を開けようとしてははね返され、また挑むの繰り返しだった。

最後までこだわったのが「レセプト(診療明細書)の開示」だ。周囲があきれるほど愚直に、そして執拗に説いてきた。

医療事故の被害者でありながら、医療政策の要ともいうべき厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)の委員を6年務めた。

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