原発事業で存続危機、東芝解体が始まった 7000億円超の巨額損失で債務超過に

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7000億円を超える巨額損失で債務超過に。つまずきは10年前の買収にあった。

2月14日、会見する綱川智社長(右)。淡々とした表情が印象的だった(撮影:今井康一、風間仁一郎)

日本を代表する名門企業が混乱の極みにある。

世間がバレンタインデーで浮かれる2月14日。本来ならばこの日、東芝は2016年4~12月期決算を発表するはずだった。それが、米国の原子力子会社ウエスチングハウス(WH)で内部統制の問題が発覚したため(囲み記事)、決算を発表することができなくなったのだ。

しかも「決算を開示できておりません」とのリリースが公表されたのが、当日の正午。そして提出延長の申請を公表したのが午後2時半というドタバタぶりである。

もともと今回は単なる第3四半期決算ではなく、特別な意味があった。

昨年12月27日、WHが15年末に実施した買収に伴い「数千億円規模の損失が出るリスクがある」と発表。不正会計の騒動が落ち着き、業績は回復基調にあったはずが、一転して危機が再燃した。

格付け会社は東芝を格下げ。銀行からの融資に規定されていた財務制限条項に抵触し、融資を引き揚げられかねないリスクが浮上した。銀行団に頭を下げ、当面2月末までの融資額維持の合意を取り付けた。

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