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必見! 誤解だらけのステロイド 誤った使用法が蔓延、自己判断は禁物

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イラスト:浜畠かのう

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牧村由依さん(仮名)の長男は小学4年生。生まれた直後から卵と牛乳、大豆、小麦、クルミの食物アレルギーがあり、アトピー性皮膚炎も発症した。

成長とともに食物アレルギーは軽くなった。卵も加工品なら食べられるようになり、クルミを除くとほぼ克服できた。しかしアトピー性皮膚炎の症状は残り、今も薬が手放せない。

牧村さんにとって、目下の悩みはステロイド剤との付き合い方だ。なるべく使いたくないので、症状が治まると使用をやめて保湿剤のみに切り替えてきた。だが、しばらくすると湿疹(しっしん)が出てきて逆戻り。これを繰り返してきた。

「先日、長男がインフルエンザにかかったとき、ヘルペスが出てしまった。長くステロイド剤を使い続けたせいで、免疫力が下がっているからなのだろうか」と牧村さんは不安を募らせる。

ステロイド剤を恐れる人が増えたのは、1990年代前半にニュース番組などで副作用問題が過剰に報道されたことがきっかけだ。当時、報道を見た親がステロイド剤の処方を拒否し、重症化してしまうケースも少なくなかったという。それから四半世紀近くが過ぎたが、ステロイド剤に対する拒否反応は根強く残っている。

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