どんなアレルギーでも治せる時代が来るかもしれない。そのカギとなるのが、大阪大学の坂口志文特任教授が発見した「制御性T細胞(Treg(ティーレグ)細胞)」だ。人間の免疫機能とアレルギーには、どのような関係性があるのだろうか。

大阪大学特任教授(免疫学フロンティア研究センター) 坂口志文
さかぐち・しもん / 1951年滋賀県生まれ。76年京都大学医学部卒業。95年制御性T細胞の存在を証明する論文を発表。京都大学再生医科学研究所長を経て2011年大阪大学教授、16年から現職。ノーベル賞に最も近い日本人の1人。

──Treg細胞は、どのような働きをするのか。

免疫の働きが過剰になったとき、制御するのがTreg細胞。免疫系にはT細胞の仲間やB細胞があり、それぞれ役割が異なる。たとえば花粉などのアレルゲンが体内に侵入してきたのを認識すると、B細胞が刺激されてIgE抗体を出し、抗原であるアレルゲンを捕まえる。こういった外敵から体を防御する仕組みが暴走したとき、抑え役になるのがTreg細胞だ。

──免疫反応で起こる病気とは。

まれに遺伝的な問題でTreg細胞の働きが弱い人、Treg細胞がまったくない人がいて、1型糖尿病などの自己免疫病を発症したり、何を食べてもアレルギーが出てしまったりする。食物というのは体にとって異種タンパクなので、Treg細胞の抑制がないとIgE抗体が大量に現れて、食物アレルギー反応が起きてしまう。