香川県に本社を置くタダノは、建設用クレーン製造で世界最大手級。近年、海外需要が減少する中でもシェアを拡大し、攻めの姿勢を崩さない。創業者の孫で6代目社長の多田野宏一氏に、国内外の需要動向と経営戦略について聞いた。

ただの・こういち●1954年7月生まれ。77年丸紅入社。88年タダノ入社。常務、専務を経て2003年から現職。

──今期は6年ぶり減収減益予想。建設用クレーンの需要動向は?

リーマンショック後の2009~10年に世界需要は半減し、当社も10年度は赤字に陥った。中国の景気対策の効果もあって11年から需要は回復したが、13年をピークに16年まで減少が続いている。

当社は海外売上比率が約5割だが、原油安を受けて北米や中東を中心にエネルギープラント建設向けが減少したことが大きい。その中で海外におけるシェアを上げて増益を維持してきたが、16年度は円高の影響もあり減益となる見通しだ。

──17年度以降の需要見通しはどうか。

18年度までは東京五輪の準備もあり、国内は首都圏中心に高水準の状態が続きそうだ。

海外では原油価格が1バレル=50ドル台まで回復したが、中東産油国が財政支出を増やすレベルにはまだ達しておらず、北米もまだよくなった感じはない。当社のクレーンは製油所や石油化学プラントの建設・保守用が中心。原油の需給ギャップが埋まり、3年後ぐらいに原油価格が急騰する可能性があり、その際は需要拡大に対応できるようにしたい。