減税や公共投資を主張するトランプ氏の政策は、レーガン元大統領(写真)を手本にしているといわれる (ZUMA Press/アフロ)

新大統領登場から3週間余りが過ぎたが、予想どおり世界を揺るがす「トランプ大旋風」である。1月20日(現地時間)に就任したドナルド・トランプ米大統領が「アメリカファースト」の持論に沿って矢継ぎ早に新方針を打ち出した。

対外政策では、環太平洋経済連携協定(TPP)からの永久離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉、メキシコとの国境への壁建設、イスラム圏7カ国からの入国禁止、中国、日本、ドイツの「為替誘導」批判、自動車貿易での対日攻撃などを次々と繰り出した。

「日本は通貨安誘導を利用」というトランプ発言に対して、菅義偉官房長官は、2月10日の日米首脳会談を前にして、1日の記者会見で「金融緩和は国内の物価安定目標のためで、円安誘導批判はまったく当たらない」と反論した。トランプ大統領が「不公平」と言い立てる自動車貿易でも、日本側には「実情を踏まえない不当な主張」と反発が強い。

1960年代以降、日本経済の成長・拡大に伴って繊維、鉄鋼、半導体、自動車などの分野で、日米貿易摩擦が火を噴いた。貿易不均衡の要因として円安も問題となったが、その後、デフレによる日本経済低迷で、貿易摩擦や通貨戦争は姿を消した。なのに、トランプ登場で20年ぶりに貿易や通貨が日米間の火種となりそうな情勢である。