有料会員限定

関心集める人工知能「AIベンチャー」 ▶▶Part2 ベンチャーが起こす産業革命

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 最新
拡大
縮小

閉塞感が強まる日本の産業界。そこにブレークスルーをもたらすべンチャーをピックアップした。

社名の由来は千里眼。目指すは「目の見えるソフト」。オープンスペースはカフェのようだ(撮影:ヒダキトモコ)

特集「すごいベンチャー100 2017年版」の他の記事を読む

「ワトソン」の精度を上回る

「注文を間違えたのですが」と入力すると、「注文のキャンセル・変更方法は……」などと、案内が出る。返事をしたのはAI(人工知能)。質問は24時間365日可能だ。これはアスクルが2016年末、個人向け通販のLOHACOに試験導入した、LINE上の顧客サービスで、約5割はAIだけで対応が完結する。

AIを開発したのがPKSHA Technology(パークシャテクノロジー)だ。データベースにない質問には人間が対応するが、自然言語処理にディープラーニング(深層学習)を使い、AIは似た質問から類推して回答候補を導き出す。それを承認すれば、学習する仕組みだ。アスクル・LOHACO事業の高松祥子LINEサポート推進リーダーは「定型業務はAIに任せ、人間は顧客別対応の充実に従事させたい」と話す。

パークシャは、深層学習研究の第一人者である松尾豊・東京大学准教授の研究室メンバーが中心となり創業した。武器は、基盤となる自社開発のアルゴリズムライブラリー。これにデータを学ばせ、AIを作る。日本語に特化することで、顧客対応システムで先行する米IBMの「ワトソン」を、精度で上回る。アスクルが試験導入したのはLINEと展開する法人サービス「LINE Customer Connect」で、製品を今春に投入する。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
すごいベンチャー100 2017年版
ウエアラブル、環境、水産など
ライフイズテック、THINKERS...
QDレーザ、ミライセンス、H2L...
Inagora、Huber.…
ナノティス、情報医療、LPixel…
みんな電気、デジタルグリッド…
ライフスタイルアクセント、ホワイトプラス…
▶▶Part3 「日常」を変えるベンチャー
[INTERVIEW]ミスルトウ孫泰蔵社長
[INTERVIEW]プラスJ池田純社長
日本材料技研、エーアイシルク…
ウェルスナビ、AlpacaDB…
米テスラ・モーターズ率いるベンチャーの旗手
スマートドライブ、ITD Lab...
プロドローン、ブルーイノベーション…
グラウンド、メルティンMMI…
ネイン、スカイディスク…
メビオール、アドダイス、ベジタリア…
▶▶Part2 ベンチャーが起こす産業革命
有力ベンチャーキャピタリストが明かす
上場後の不祥事も後を絶たない
[INTERVIEW]ユーグレナ出雲充社長
急増する東大ベンチャーの勝算
出遅れた私大や関西勢も続々設立
アマゾン流ベンチャーの活用
Amazon Launchpad ストア
▶▶Part1 拡大する第4次ブーム
第4次ベンチャーブームがやってきた
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内