[今週の眼]早川英男 富士通総研エグゼクティブ・フェロー
はやかわ・ひでお●1954年生まれ、愛知県出身。東京大学経済学部卒。米プリンストン大学経済学大学院にて修士号取得。77年日本銀行に入行後、長年にわたって主に経済調査に携わる。調査統計局長、名古屋支店長、理事などを歴任し、2013年4月から現職。著書に『金融政策の「誤解」』。(撮影:梅谷秀司)

ついに異端児トランプ氏が米国大統領に就任した。トランプ政権の経済政策=トランポノミクスの内容にはいまだ流動的な部分が多いが、日本を含めた今後の世界経済に大きな影響を及ぼすことは間違いない。以下では、現時点での筆者の理解を大胆に述べてみたい。

まず比較的わかりやすいのは、米金利高・ドル高の動きだろう。トランプ政権では、減税などによる財政出動が行われる可能性が高い(インフラ投資は、議会共和党の反対があり微妙)。米国経済はほぼ完全雇用であるので、そこに大規模な財政出動が加われば、物価が上がり、金利も上昇し、ドルが高くなるのは自然だ。

ただし米国の予算の仕組みを考えると、減税にしてもインフラ投資にしても、財政が動きだすのは早くて今年後半になる。一方で2016年11月からのドル高の影響が今後顕在化してくる。このところ好調だった米国景気も、春ごろにはいったん減速する可能性がある。その場合、市場が予想する利上げのタイミングが遅れ、ドル高相場も調整を余儀なくされるのではないか。