この1年、日本人サッカー選手の評価がヨーロッパで急上昇している。

今年1月に長友佑都がイタリアの名門インテル・ミラノに移籍すると瞬く間に中心選手の一人になり、シャルケの内田篤人は欧州王者を決めるチャンピオンズリーグでベスト4に進出した。ドルトムントの香川真司はリーグ公式ホームページ選定の前期MVPに輝き、クラブの9年ぶりの優勝に大きく貢献した。

なぜ日本の若きサムライたちは急に世界で輝き始めたのか? 最近海外で活躍する若手選手に共通することがある。それはいい意味で「日本人の感覚を捨てている」ということだ。

サッカーのルールは世界共通だが、常識や価値観は国によって違う。Jリーグ時代の価値観を引きずったままプレーをしていたら、監督からは評価されないだろう。「日本ではこうだった」とか「周りにわかってもらえない」とかいうのは、海外でうまくいかない選手の典型的な言い訳だ。日欧の常識や価値観の違いに気がついた選手だけが、スタートラインに立てるといっていい。

長谷部 誠 / ヴォルフスブルク / ドイツ(アフロ)

長谷部誠は2008年1月にヴォルフスブルクに移籍すると、すぐに「人のせいにすること」を学んだ。ドイツ人たちは自己主張の連続で、練習中に黙ったままでいると、すべて自分のせいにされてしまう。長谷部は誠実な人柄で、浦和レッズ時代は決してミスを人になすりつけるタイプではなかった。だが、ドイツでは郷に従い、自分のプレーの出来にかかわらず、チームメートを怒鳴り上げるようになった。