北京大の正門(西門)。中国風のこの門は、学術の権威性の象徴でもある(imagechina/アフロ)

7月の卒業式を控え、中国の大学キャンパスは、年度末のほっとしたような雰囲気に包まれている。全寮制で学内に住む卒業予定者は、4年間使ったベッドシーツに何を書こうか、頭を悩ませる。寮を立ち退く際に、シーツを横断幕に見立ててメッセージを掲げるのが、中国の大学の風物詩だ。

中国随一の名門校、北京大学の校門では、無料レンタルの式典用マントを羽織った学部4年生が、記念写真を撮るのに興じている。卒業後の進路を尋ねると、「米国に留学する」と屈託なく話す。

今や世界第2位の経済大国となった中国は、学術分野でも猛烈な勢いで先進国を追い上げる。日本の『科学技術白書(2010年版)』によると、国別の学術論文の本数(英トムソン・ロイター社のデータによる)は、中国では1998年に2万1098だったものが、2008年には10万4157へと約5倍に増えた。

日本は同じ期間、6万0347が6万9300へと、緩やかな増加にとどまった。日本は98年に米国に次いで2位の地位にあったが、08年には5位になり、一方の中国は9位から2位へと躍進した。