「妊娠中や授乳中に母親が卵や牛乳を控えれば、子どものアレルギー性疾患を予防できる」「ステロイド外用薬を使うと肌が黒くなる」「食物アレルギーの血液検査で陽性反応が出たものを口にしてはダメ」――いずれもどこかで聞いたことのあるような説だが、これらはすべて間違い。

アトピー性皮膚炎やぜんそく、食物アレルギーなどのアレルギー性疾患の治療や予防をめぐっては、いまだに偏見や誤解がはびこっている。また、ここ数年のアレルギー性疾患に関する医学の進歩は目覚ましく、それまでの常識がいくつも覆されているにもかかわらず、医療現場でさえも追いついていない。そのため、過剰な食事制限を続けたり、必要な治療を避けてしまったりするケースが後を絶たない。

国立成育医療研究センターの大矢幸弘医師は「患者さんだけでなく、医師が誤解に基づいて診断をすることも少なくないうえに、最新の情報が各地の医療機関まで行き渡っているとは言いがたい」と言う。これが、今のアレルギー性疾患を取り巻く現状なのだ。