[ポイント1]
自ら考え、道を切り開く力を育む教育とはいかなるものか。奈良市立一条高校では、たとえば高齢者の運転免許自主返納など、答えのない社会問題を議論する

[ポイント2]
文部科学省が目指すアクティブラーニングとは、このように生徒が能動的・主体的に授業参加できる学習法のこと。2020年度から小・中・高校に順次導入される

[ポイント3]
米国名門大学では、学力に加えて学ぶ意欲が重要な審査項目で、合否を左右する。日本でも職業体験などを通じて生徒の意欲への「着火」を目指す塾が出てきた

 

座学で学ぶ知識の量では、産業構造や社会制度が激変する21世紀を生き抜けない。この危機感は親たちに共通だろう。では、自ら考え、まだない道を切り開く能力は、どのような教育で育めるのか。次世代型の学びに取り組む学校・塾の最前線をリポートする。

奈良市立 一条高校
「よのなか科」で考える

「60〜74歳の人はほとんど運転免許を返納していません。免許には取得条件があっても、返納条件はないのです」

1月のある土曜日。奈良市立一条高校の視聴覚室で、1年生の女子生徒の言葉に、同校生徒と地域住民の約40人はじっと聞き入った。2016年春に校長に就任した教育改革実践家、藤原和博氏が導入した「よのなか科」の授業場面だ。

正解が一つではない問題を大人と議論

よのなか科は正解が一つではない実社会の問題をめぐって、生徒と大人が一緒になって考えるもの。授業とはいうが、一条高では学習指導要領に基づくカリキュラムではなく週末の課外活動として実施している。