有料会員限定

子ども向けの早期英語教育をめぐる大論争 「1年でも早く始めるべき」というのは本当か

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
拡大
縮小

[ポイント1]
「英語は10歳まで」など、幼少期のある年齢を超えると英語の習得が難しくなるという考え方は、脳科学や発達心理学の「臨界期」仮説に基づく

[ポイント2]
だが、臨界期は学習の限界ではなく、吸収力が高い時期を示すに過ぎない。また、幼少期に身につけた発音も、継続学習がなければ定着しないので要注意だ

[ポイント3]
早期教育に懐疑的な学識者もいる。母語の能力を超える第2言語はありえない。小学生は日本語で言語感覚を養うことが後の英語習得のうえでも重要という

 

グローバルリーダーの育成を目指すigsZの授業風景。幼少期に発音と表記を結び付けるフォニックスを習得することが、後々の英語力を支えるという(撮影:今井康一)

特集「「食える子」を育てる」の他の記事を読む

東京都内に住む寺田ゆみ子さん(40、仮名)の家庭は、正社員の共働き世帯だ。1年半前から週末の土曜日に年長児の娘を英語教室に通わせている。バイリンガル講師と相性がよいのか、娘は教室でいつも楽しそう。教室から「意欲が高く単語の覚えも早い」と褒められると親としては誇らしい。

実は寺田さんは、本音では就学前に英語を学ぶ必要が本当にあるのか、疑問を抱いている。幼少期には外国語より母国語の学習が重要だとする教育書も読んだ。それでも英語に熱心な家庭の子が、「グッモーニン」ときれいな発音であいさつする姿を見て、どきっとした。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
「食える子」を育てる
大谷翔平、萩野公介、石川佳純の育ち方
[INTERVIEW]花まる学習会代表・高濱正伸
おカネで解決から助かる高齢者まで
教育ビジネス興隆の一方で社会問題化
水泳、サッカー、ダンス…何の役に立つ?
学力だけでは人生にとって十分ではない
小学5年生、不動の1位はスポーツ
開成・灘卒業生の追跡調査でわかった
知識や解法テクニックだけではもう勝てない
[INTERVIEW]鳥飼玖美子・立教大名誉教授
「1年でも早く始めるべき」というのは本当か
[INTERVIEW]夏野剛、藻谷浩介
[INTERVIEW]品川女子学院校長・漆紫穂子
子どもの関心と予算に合う教室を探そう!
ゲーム習慣と子どもの成長に負の相関はあるが
[INTERVIEW]民間学校代表・竹内薫
英語でロボット操作、学習塾も理科実験
長谷川敦弥LITALICO社長×成毛眞
思わず「子どもってスゲェな~」
カギを握るのは2極化する高校
21世紀に変貌する読み・書き・そろばん
[INTERVIEW]一条高校校長・藤原和博
「食える子」を育てる
21世紀の読み・書き・そろばん
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内