[ポイント1]
孤独死などで管理費や修繕積立金に滞納が生じれば、相続人にその支払義務が生じるが、その特定が難しい。築年数が長くなるほど、滞納比率は高まる

[ポイント2]
ほかにも、管理組合の理事のなり手がいない、修繕積立金を上げられない、合意形成が進まないなど、住民が高齢化したマンションの悩みは多い

[ポイント3]
修繕積立金不足による「修繕破綻」を防ぐには、5年に一度は修繕計画を見直す、30年先まで計画する、段階的でなく一度に値上げするのがポイントだ

 

管理組合運営における課題は多い(シティ能見台・理事会)
[図表1]
(出所)国土交通省「マンション総合調査結果」(2013年度)。吹き出しは管理組合の理事経験者の声(本誌メルマガ読者アンケートから)

「孤独死から3カ月も経っているのに、相続人が誰なのか、まだ特定できないのです」──。

昨年10月、東京近郊の約300戸・築40年のマンションで、一人暮らしのお年寄り・Aさんがひっそりと息を引き取った。このマンションの管理組合理事長から相談を受けた重松マンション管理士事務所の重松秀士所長は、そう話して頭を抱える。

分譲マンションの区分所有者(居住者)は通常、管理費と修繕積立金を毎月支払う。しかし、孤独死などで滞納が発生すれば、相続人にその支払い義務が生じる。身内の人とすぐに連絡がつき、相続人が特定できれば問題はないが、今回のケースではその特定が困難を極めた。